環境調和型社会の構築を目指して
  島根大学 生物資源科学部

 環境共生科学科

島根の環境あれこれ


宍道湖1

  宍道湖は島根県の東に位置する汽水湖です。宍道湖七珍と呼ばれる水産物が有名で,特にヤマトシジミの漁獲量は日本一を誇ります。
 

 

宍道湖2(宍道湖西岸から望む朝日)

 宍道湖は島根県の東に位置する汽水湖です。宍道湖七珍と呼ばれる水産物が有名で,特にヤマトシジミの漁獲量は日本一を誇ります。
 

 近年の宍道湖では水草が繁茂し,漁船のスクリューに絡まったり,枯死した水草から栄養塩が回帰して汚濁の原因になったり問題視されていますが,本来,水草の繁茂は稚魚等の隠れ家になり,水の透明度を向上させる効果があります。 宍道湖は日中になると波が立つことが多いため,朝早くから調査を開始します。宍道湖の夕日は有名ですが,それに劣らず朝日もとてもきれいです。


三瓶山
西の原から望む男三瓶山(中央)と子三瓶山(右)

三瓶山は島根県大田市と飯南町の境に位置し、大山隠岐国立公園に指定されている活火山です。三瓶山は、「出雲の風土記」で「佐比売山(さひめやま)」と記され、「国引き神話」では鳥取県の大山とともに国を引き寄せた綱をつなぎ止めた杭として記されている歴史のある山です。

写真奥の山麓には落葉広葉樹や針葉樹の森林が広がり、写真手前には草原があります。日本は気候が温暖で降雨量が多いため、ほとんどの場所では植生は森林に遷移しますが、西の原では放牧や火入れなどの土地利用によって草原が維持されています。このような様々な土地利用にそれぞれ適応した、多様な生物相が存在します。


隠岐諸島

  島根半島の沖合60kmには4つの有人島と180余りの無人島からなる隠岐諸島があります.最終氷期まで本土と地続きであったものが,その後の海面上昇によって今からおよそ1万年前には現在のような離島になったと考えられています.島の成因は火山活動にあり,その名残を島前カルデラなど島内の各所で見ることができます.複雑な地史と生態系,それらに支えられた人の営みが評価され,ユネスコ世界ジオパークの1つに認定されています.

 隠岐諸島では,南方系の植物であるナゴランと北方系の植物であるハマナスが同所的に生育するなど,とてもユニークな植物の分布の状態を見ることができます.また,固有の植物種や,本土では個体数が激減し,環境省のレッドデータブックに絶滅危惧種または準節滅危惧種として記載されている種なども身近に観察することができます.環境共生科学科では隠岐臨海実験所を拠点に幅広い学術活動を行っています.


クロマツ

クロマツは島根県の県木であり、出雲平野の築地松(ついじまつ)や松江城の老松などが有名です。
 

松江市城山公園や庭園のクロマツに葉枯性病害が発生しています。


中海におけるオゴノリの刈り取り

中海は、島根県と鳥取県にまたがる汽水湖で、宍道湖と日本海の中間に位置します。宍道湖と中海を合わせた水域は日本で一番大きい汽水域として知られています。中海には牡丹が美しい大根島があります。

中海ではNPO法人と漁業者らによって伝統的手法により海藻が刈り取られ、水質に対する負荷を軽減させる取り組みが行われています。海藻の刈り取りが藻場生物群集と砂泥底生物群集にどのような影響を及ぼしているのか調査研究を行っています。


日本海(大社湾)

  出雲平野の西端は日本海に向かって開け,出雲国風土記にその名を記す「薗(その)の長浜」で大社湾に接しています.「薗の長浜」は「国引き神話」に登場する八束水臣津野命(やつかみづおみつぬのみこと)が国引きの際に用いた綱の跡とされています.

 大社湾に面した砂浜海岸は全長はおよそ14km.海岸の内陸部には緩やかな砂丘が発達しています.このような砂浜海岸には乾燥や高い塩分濃度といった特有の環境に適応した植物や動物が生息しています.環境改変の影響を受けやすい砂浜海岸ですが,「薗の長浜」には良好な海浜植生が維持されていることから,砂浜に生きる生物の研究がさかんに行われています.


立久恵峡

立久恵峡(たちくえきょう)は島根県出雲市の南部に位置し,神戸川(かんどがわ)上流2 kmに亘る峡谷で,100から200 mに亘る石柱や断崖がそそり立ち奇岩が屹立する。
 

ここには渓谷美や五百羅漢像の他に立久恵峡温泉もあります。県内の温泉に含まれるミネラルを調査の一環で,この温泉も調査しました。露天風呂からはその渓谷美を堪能できます。私が訪れた時は紅葉が始まる前でしたが,他の季節でも素晴らしい景色を堪能できると思います。


斐伊川1(斐伊川の魚道)

島根県奥出雲町の船通山を源流とし、出雲平野を通って宍道湖へと流れる一級河川です。堰堤等には,"魚道"と呼ばれる,アユやヤマメなどの回遊魚の移動を助けるための水理構造物が設置されています.

果たして魚道が魚類回遊にどの程度役立っているのか,ということの検討は河川環境に関わる最重要研究課題の一つです.

斐伊川2(斐伊川中流部の川床)

島根県奥出雲町の船通山を源流とし、出雲平野を通って宍道湖へと流れる一級河川です。

近年,河川を取り巻く様々な環境の変化に起因して,河床の生態,とくに岩に付着するコケの生物相が急激に変遷してきています。今度どのような変遷をたどり得るのか?そして,どうすれば健全な河川環境を実現できるか?理論と実践の双方から研究しています。


 

 

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