環境調和型社会の構築を目指して
  島根大学 生物資源科学部

 環境共生科学科

新任教員の紹介(2019年3月)


長門 豪 助教

所属分野:生物環境情報工学分野
主な授業科目:実用分析化学・環境汚染化学
主な研究テーマ:多環芳香族炭化水素類の化学変化・代謝活性化と環境動態


トロント大学において,ミジンコを対象とした生態毒性学の研究で博士研究を終えました。その後、金沢大学のポスドク研究員として、多環芳香族炭化水素 (PAH)とそのニトロ体の環境動態を研究しました。島根大学では、PAH同族体の環境動態について研究します。 PAHには変異原性および発癌性があることが知られています。しかし、PAHは水酸化体やキノン体,ニトロ体などに変換された後に強い毒性を示します。この変換は生物的にも非生物的にも生じます。PAH同族体および異性体には多くの種類がありますが、環境におけるそれらの存在様態はよく理解されていません。私の研究の目的は、これらの過程を理解することと、これらの化合物の環境分布と生態系への影響を調査することです。さらに、微生物、溶存有機物、ナノプラスチックがこれらのPAHの活性体形成にどのように影響するかを研究する予定です。

多環芳香族炭化水素同族体の単離のための
固相抽出用吸引マニホールド


李 治 助教

所属分野:生物環境情報工学分野
主な授業科目:情報科学・生物環境ロボティクス
主な研究テーマ:半透過型太陽電池を利用した温室自動遮光システムの開発


 高校を卒業した後、中国から日本へ留学しました。大学1年生から長い年月島根大学で修学し、今は家族と一緒に松江市に住んでおり、この土地に愛着があると感じました。大学4年生で研究室に入る時、指導教員がヨルダン砂漠におけるサハラの森林プロジェクトの事例を紹介してくれて、とても感動しました。これをきっかけに、今の研究を始めました。現在半透過型太陽電池を利用した温室自動遮光システムの研究を進めています。

 

半透過型太陽電池を利用した温室自動遮光システム


吉岡有美 助教

所属分野:地域環境工学分野
主な授業科目:基礎水理学・水理学I
主な研究テーマ:流域スケールでの地下水環境評価


地下水は、全球上の淡水資源の98%を占める重要な水資源であり、流域の水循環を構成しています。現地調査、水の安定同位体、数値モデリングなどの手法から地下水をはじめとする流域スケールでの水の分布や流動の評価を実施しています。
 

水田からの地下水涵養機構評価のために
深度別に土壌水を採水する様子